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【農ガール農ライフ】あらすじとネタバレ感想 垣谷美雨 祥伝社

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題名から惹かれた本。

仕事も彼氏も家も失う。

仕事と彼氏は分かるけど、家ってどういうこと?そう思って手に取りました。

(大丈夫、まだ笑える)主人公の強く前向きな姿がカッコよかったです。

 

【農ガール農ライフ】あらすじ

耕(たがや)せば、人生は開ける!
……って本当ですか?

仕事も彼氏も家も失い、農業に目覚めたアラサー女子。
おんな一人、自給自足のハッピーライフは手に入るのか?
すべての迷える女性に贈る、リアル・サバイバル小説!

 

大丈夫、まだ、笑える――新しい自分に出会うRe:スタート!
「結婚を考えている彼女ができたから、部屋(ここ)から出て行ってくれ」派遣ギリに遭(あ)った日、32歳の水沢久美子(みずさわくみこ)は同棲相手から突然別れを切り出された。5年前、プロポーズを断ったのは自分だったのに。仕事と彼氏と家を失った久美子は、偶然目にした「農業女子特集」というTV番組に釘付(くぎづ)けになった。自力で耕(たがや)した畑から採(と)れた作物で生きる同世代の輝く笑顔。
――農業(これ)だ! さっそく田舎(いなか)に引っ越し農業大学校に入学、野菜作りのノウハウを習得した久美子は、希望に満ちた農村ライフが待っていると信じていたのだが……。

 

祥伝社の出版物

【農ガール農ライフ】作者 垣谷美雨

1959年、兵庫県生まれ。明治大学文学部卒。2005年「竜巻ガール」で小説推理新人賞を受賞し、小説家デビュー。少子高齢化と介護、結婚難、住宅問題などの身近なテーマを取り上げ圧倒的な支持を集める。著書に『子育てはもう卒業します』『老後の資金がありません』『姑の遺品整理は、迷惑です』『うちの父が運転をやめません』などがある。

【農ガール農ライフ】あらすじとネタバレ感想

垣谷さんの本は本当に読みやすい。

毎回続きが気になってつい読みふけってしまいます。

そして迷ってる暇があるならウジウジ考えてないで、少しでも行動に移して前に進もう!!そう背中を押してくれる本が多いです。

 

今回もアラサー女子が自立していくお話。

 

沢久美子(みずさわくみこ)32歳。

派遣切りにあって職を失います。

同棲して6年になる恋人の篠山修(しのやまおさむ)とは恋人というよりもルームメイトみたいな関係。

その修に別れようと切り出され、一緒に住んでいたマンションを出ていく事になったのでした。

修には一度プロポーズされ断った事もあり、なぜか自分よりも修の方が自分の事を好いているのだと勘違いしていたのだと気づく久美子。

そして、修を空気みたいな存在として当たり前に過ごしていた毎日。

当たり前だと思ってしまう事ほど怖いものはありません。

当たり前などないのだから。

頭では分かっているのに、知らず知らずのうちに「当たり前」が邪魔して目に見えない日々の大切な存在に気付かなくなり、その積み重ねが大きな波となって一気に押し寄せてくるという恐怖。

経験された方であれば、この恐ろしさに身の毛がよだつかもしれません。

 

自分も相当みっともない人間だ。修に対する気持ちは何年も前から冷めていた。

それはちゃんと自覚していたのに、マイという女性があらわれた途端に慌ててしまった。普段は要らないと思っているものでも、いざ他人に奪われそうになると、急に焦って取り返そうとする。なんという品のなさだろう。自分もその程度の人間だったということだ。

本を読むと人の気持ちがよく分かります。経験していると尚更。

日常にありそうな人間の嫌な部分のやりとりが作者の本に滲み出ています。

修の気持ちを思いやることが出来なかった久美子。長い間一緒にいると、人の気持ちに鈍感になってしまう。

悲しいことです。

どれだけ頭では分かっていても、失って初めて分かる気持ちは経験しないと分からないものなのかなあと思いました。

 

毎日の生活で、一緒になって怒ってくれる人がいる。笑ったり出来る。

そんな瞬間を大切にしたいと思います。

 

人の幸せを祝福できる人は、自身が幸せな状況にある人だ。そうでなければ人の幸せを妬んで当然だ。自分が不幸なときは、世の中の人すべてが不幸であってほしいと願う。何も特別に自分の性格か歪んでいるわけじゃない。そう自分にいい聞かせたら、少し気が楽になった。

自分に余裕があるから人に優しくできるんですよね。

まずは自分を大切に。そうすることで、心の余裕ができるのかもしれません。

 

人間というものは、何事も自分の尺度でした測れないのだと、30歳を過ぎた頃からしみじみと思うようになった。

何歳になってもそう思います。

つい自分の価値観で言ってしまう。

久美子も自分の価値観で物事を考えがちですが、多くの人がそうだということ。

そして客観的に物事を見ることが出来た時、人として強く優しくなれるのだということを教えてくれます。

他人は自分1人では生きていけません。

多くの人に助けられて、自分も誰かがピンチの時は助けられる人になる。

そうするためには、自分を知り、受け入れることから始める。

 

いろいろあるのが人生。

大変だけれど、面白いもの。

今回の本も「あらま、そうきたか!!」とアクシデントを受け入れながら最終的には、自分の力で暮らしを切り開いていける気持ちになれる本でした。