
退職したら奥さんと海外旅行へ行くのだと上から目線でいうおじさんたちを見た事がありますが、実際2人で行ったと聞いた事はありません。
奥さんは気の知れた友人達と旅行に行く事のほうが多いようです。
【定年オヤジ改造計画】あらすじ
妻に避けられ、娘に呆れられ、息子の嫁とはかみ合わず……
女が黙ったときは危険信号!
鈍感すぎる男たち、変わらなきゃ長い老後に居場所なし!定年世代の新バイブル、待望の文庫化。
大手石油会社を定年退職した庄司常雄。悠々自適の老後を夢見ていたが、良妻賢母だった妻は「夫源病」を患い、娘からは「アンタ」呼ばわり。気が付けば、暇と孤独だけが友達に。そんなある日、共働きの息子夫婦から孫二人の保育園のお迎えを頼まれ……。崖っぷちオヤジ、人生初の子守を通じて離婚回避&家族再生に挑む! 長寿時代を生き抜くヒントが詰まった「定年小説」の傑作。
定年オヤジ改造計画 垣谷美雨(著/文) - 祥伝社 | 版元ドットコム
【定年オヤジ改造計画】作者:垣谷美雨
1959年、兵庫県生まれ。明治大学文学部卒。2005年「竜巻ガール」で小説推理新人賞を受賞し、小説家デビュー。少子高齢化と介護、結婚難、住宅問題などの身近なテーマを取り上げ圧倒的な支持を集める。著書に『子育てはもう卒業します』『農ガール、農ライフ』(祥伝社文庫)『老後の資金がありません』『姑の遺品整理は、迷惑です』『うちの父が運転をやめません』などがある。
【定年オヤジ改造計画】主な登場人物
庄司常雄(しょうじ つねお)
60歳。大学卒業後38年間会社人間として大日本石油に勤務。
定年後、嘱託として子会社で働くも倒産となり退職。
家にいると妻や娘から冷たい態度で、娘からは常識がないと言われ、呼ばれ方が父さんから「アンタ」に変わっていった。
庄司十志子(しょうじ としこ)
常雄には良妻賢母として接してきたが、常雄の定年後体調を崩している。
百合絵からは「夫源病」を患っていると言われる。
庄司百合絵(しょうじ ゆりえ)
33歳。大手の帝都物産に総合職として11年勤務している。
父とは話がほとんど通じない。父の考え方が間違っており父さん世代の男たちが全員死なないと日本は良くならないと言ってしまう。
庄司和弘(しょうじ かずひろ)
30歳。市内の会社勤務。同じ市内のマンションに住んでいる。
父に娘と息子の保育園の迎えと、自分のマンションに来て面倒を見てくれと頼み込む。
庄司麻衣(しょうじ まい)
和弘の妻。和弘とは同じ大学で知り合い結婚。
子どもたちの保育園入所が決まったら通販会社で働く予定。
庄司葵(しょうじ あおい)
和弘と麻衣の娘。5歳。
庄司漣(しょうじ れん)
和弘と麻衣の息子。1歳。
【定年オヤジ改造計画】あらすじとネタバレ感想
夫源病(ふげんびょう)とは、夫がいることにより妻がストレスを感じてしまう病気
夫の発言などにも問題があるということです。
具体的には次のような言葉です。
「それくらいできるよ」
「主婦はもっと世間でも尊重されるべきなんだ。女も子育てや家事にプライドを持つべきなんだよ。とっても大切な仕事なんだから」
「だったら、アンタがやれば?」
それくらいって、やってもみないのに平気で言われるとカチンときますよね。
言われた方は「じゃあ、やってください」と思います。
ここでも、じゃあやれば?となると言い訳を作って逃げてしまいます。
やった事がないことを平気で出来るというのであればやってみてから言って欲しいものです。
「母親ならわかるはずだよ」
子どもが泣いている理由を母親なら分かるという夫。
そんなん分かるか!です。
こういうことを平気で言えるって言う所が怖いです。
「ご飯は?」
退職したのであれば時間もたっぷりあるはず。妻は体調が悪いと言っている。
「私はいつもコンビニ弁当を食べてるし、母さんはそこのソファでヨーグルトを食べてるじゃないの、そんなことイチイチ言われなくったってみてたらわかるじゃない」
「見えてるんだよ。アンタ、しっかりその両目でみてるんだよ」
見えてるのに、見ようとしていないんですよね。
なんで妻がソファでヨーグルトだけを食べているのか、考えようとしていないんですよね。
それなのにご飯は?って子どもじゃあるまいし、お腹がすいたら自分で作ればいいことです。
「お前のせい」
子どもが元気に育っている間はいいけど、病気になったり不登校になったり脇道に逸れたりした途端に何でもかんでも世間は母親のせいにするんですよ
何もかも奥さんにさせておきながら、問題なく子育てが終わると当たり前。
そうでなければ「お前のせい」って明らかにおかしいです。
他人のせいにする前に自分の行動を見直すことが大切だと思います。
「へー、あっそう」
「今さら三十年分の恨みを言われたって困るよ。そのときどきで言ってくれなきゃ」
「俺も君江にそういったよ。だがな、何度も何度も訴えたと君江は言うんだ。あなたが聞く耳を持たなかっただけだって」
話し合いの場を持ちたくても相手が聞く耳を持ってくれないと話し合いにはなりません。訊く耳を持っていない人に訴えても時間と労力のムダになるから。
向き合うという事がどういうことなのかを、気づく事が大切なのだと思います。
相手が話たい時に向き合わないと、(この人に言っても一緒)と諦められて手遅れになってしまうのです。
人は自分の価値観で物事を言いがちです。
特に会社人間だった男の人は自分は何も間違っていないと思い込んでいるのです。
「俺たち男は自分より強い者の顔色には敏感だけど、格下の人間の感情には鈍感なんだよ」
自分の意見として、ではなく相手を見下してしまい、自分が正しいと思うようになってしまうようです。
人間は気づかないうちに、相手を見下した考えをして聞く耳を持たなくなってしまっているのかもしれません。
私自身も自身の価値観で偏った考え方をしているかもと反省しました。
本を読むことで色んな立場からの人の気持ちを深く考えるきっかけになっています。
人間関係
人間関係というものは、元来こういうものかもしれない。たとえ家族であっても、誰かの我慢の上にしか団欒は成り立たないのではないか。家族であるならば全員が気分よくいられるようにすべきなどと、百合絵なら主張するかもしれない。だが、それは理想にすぎないのではないか。せめて我慢役が誰かひとりに集中しないようにするためには、全員が少しずつ我慢するしかない。要は、親しき仲にも礼儀ありというもので、疲れて会社から帰ってきたサラリーマンでも不機嫌を抱え込み、作り笑いの義務を負い、家でさえ寛げなくなる。
私は家族が我慢をしていると考えた事がありませんでした。
家族だからお互いに自分の言いたい事を言うのが当たり前だと勘違いしていました。
よくよく考えてみればそんな事ありませんよね。
家族だから心配するだろうなと遠慮して言えない事もあるし、楽しい食事の場を壊したらいけないなとかって考える時もある。
仕事で嫌な事があったら、家族でない誰かに愚痴をこぼしたい事だってあります。
そういった小さな我慢の積み重ねは怖い。
だけど、実際はその人の事をずーっと監視する事も出来ないし、その人でないと心の奥底まで分かる事なんで不可能です。
家族以外で程よくストレス発散は大切なのです。
何事も経験
100%誰もがそうなるわけではありませんが、経験してやってみたら気持ちが分かるものです。常雄は孫の送迎から随分と考え方が変わりました。
気持ちを分かってくれればいいんです。
関係が崩れる前に聞く耳を持って向き合って話あう。やった事がないならやってみる。
気持ちが分かれば協力できます。
常に感謝の気持ちを持って私も毎日を過ごそうと思っています。
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