7歳~はひらがなが読めるようになります。
ただし、文字を読むことと本を読むことはまた違うので、大人はこの時期のこどもたちにしっかり寄り添ってあげましょう。
昔ばなし絵本や、広い世界の人々についての絵本も良いですね。世界は広いんだということが分かります。
アンジュール
ガブリエル・バンサン作・絵
BL出版1986年
あらすじ
一匹の犬が車から投げ出され捨てられます。車が走りさると、その車を犬が追いかけます。そんな犬をおいて、車は行ってしまいます。
犬はひたすら歩き続け…
感想
車から投げ捨てられるって心が痛みます。読んだ人がどう感じたのか、言葉や文章、会話や表情で分かりますが、ラストは一筋の光が見える書き方で終わっています。読み終わって、子どもとどう思ったか。どう感じたか。これからどうなるか?話し合って、オリジナルのラストを作ることができます。
おおきな木
シェル・シルヴァスタイン作・絵
村上春樹 訳
あすなろ書房2010年
あらすじ
一本のりんごの木は1人の少年に全てを与え、最後は切株だけになってしまいます。「木」の気持ちはどうなんだろう?
感想
原題は、「与え続ける木」
1976年篠崎書林バージョンでは、訳を本田錦一郎氏となっています。
ラストのシーンでは、本田氏と村上氏の訳し方が若干違います。
可能であれば、両方の訳の本を読み比べてみるとより一層、この本のメッセージが分かるのかもしれません。
答えなんてないけれど、違った視点からそれぞれの気持ちになって考える事が出来る素敵な本だと思います。
ごんぎつね
新見南吉 作
黒井健 絵
偕成社 1986年
あらすじ
子ギツネゴンは、兵十が病気の母親のためにとってきたうなぎを、いたずらをして盗んでしまいます。しばらくして、兵十の母親が亡くなったことをゴンは知ります。それからというもの、ゴンは毎日兵十の家に栗やまつたけを届けるのですが…ある日兵十に見つかり火縄銃で打たれてしまいます。
どうなるゴン?兵十?
感想
教科書でも掲載されるほど、有名なお話です。
初めて読んだ時は小学1年生。なんとも言えない気持ちだったのをかすかに覚えています。何回読んでもうるうるきてしまいます。
作者の伝えたかったメッセージ、お子さんと話し合う、かけがえのない時間だと思います。
スーホーの白い馬
モンゴル民話
大塚勇三再話
赤羽末吉 画
福音館書店1967年
あらすじ
むかしあるところに、モンゴルの草原に、スーホーという貧しい少年がおりました。スーホーは年をとったおばあさんと2人暮らし。そんなスーホーは拾ってきた白い馬を大切に育て、殿様が開く競馬の大会に参加します。実はその大会で優勝すると、殿様の娘と結婚できるのです。大切に育てあげた馬と共に優勝するスーホーですが、貧しい少年と知った殿様は、スーホーにひどい仕打ちをします。
スーホーはどうなってしまうのでしょうか?
感想
こちらも教科書でおなじみの本なので、ご存知の方も多いかもしれません。
少年と馬との強い絆。
本当に強い絆ってどういうこと?
モンゴルの場所ってどこ?
地球儀や地図を持ってきて、モンゴルの場所を探してみたり、動物を育てるってどういうことなのか?一緒に考えてみたり、この本もまた、大切なお子さんと生活するうえで考える事ができる一冊の本だと思います。
ぞうのババール
ジャン・ド・ブリュノフ作
やがわすみこ訳
評論社 1974年
あらすじ
大きな森の国でちいさなぞうが生まれます。
名前はババール。
ある日おかあさんと散歩をしていると…
感想
こちらのゾウくんは服を着て二足歩行。車も運転出来ちゃいます。
子どもたちの発想は1人1人違います。同じ兄妹でも感じ方や考え方は違いました。それが正しいとか間違ってるとかではなく、そういう考え方があるんだと子どもが持つ自由な発想を聞くのが好きです。
だいじょうぶだいじょうぶ
いとうひろし作・絵
講談社 1995年
あらすじ
ぼくがまだ小さかったころ、おじいちゃんはぼくの手を握って、いつも「だいじょうぶだいじょうぶ」と言ってくれていました。それでたいていのけがや病気は治るし、たいていの不安は消えていきました。そしてぼくは大きくなり、おじいちゃんはどんどん年をとって病気になってしまいました。今度はぼくがおじいちゃんの手を握り、言ってあげる番です。「だいじょうぶ だいじょうぶ」と。
感想
大きくなったぼくと年をとったおじいちゃんは自身の息子と父とが重なります。
本と自分が重なった時、心にジーンとくるものがあります。
としょかんライオン
ミシェル・ヌードセン作
ケビン・ホークス 絵
福本友美子 訳
岩崎書店 2007年
あらすじ
いつも静かな図書館にライオンが現れて、みんなびっくり!?
猛獣?けれどもこちらのライオンは行儀が良くてみんなの人気者に。
図書館長のメイウェザーさんは、ルールを守れば、だれでも同じ様に受け入れてくれる館長さん。そんな彼女のもとで、ライオンはお手伝いをするようになります。ところが、ある日、メリウェザー館長さんに…!?
感想
図書館にライオン!?タイトルだけでなく、表紙に大きくライオンの絵が描かれていて、どうなってるの!?って早く、次のページをめくりたくなってしまいます。
図書館は誰もが訪れる場所で、たとえライオンでも、ルールさえ守れば大丈夫という館長さんも心が広い人だなと思います。こうでなければいけない。というのではないけれど、ルールを守ることは大切だし、人の気持ちを思いやる気持ちも大事だなと子どもに教える事が出来る本です。
AIはそれが出来るのかしら?って思ってしまいます。
ふたりはともだち
三木卓訳
文化出版局 1987年
あらすじ
仲良しのかえるのがまくんとかえるくん。
のんびり屋のがまくんとしっかり者のかえるくん。
ふたりを取り巻くちょっとした日常の出来事が楽しい。
シリーズもので、「ふたりはいっしょ」「ふたりはいつも」「ふたりはきょうも」「ふたりはしんゆう」などがあります。
感想
ベタですが、「おてがみ」のエピソードなんかとっても良いんですよね。
かえるくんががまくんにお手紙を書いて出すのですが、配達するのが、かたつむりくん。なんですよね。
なんかこういうの好きだなぁ~って読んだ後思ってしまうんです。
まいにちがプレゼント
いもとようこ作・絵
金の星社 2018年
あらすじ
毎日朝が気て今日は昨日になって、明日が今日になって。。。
時間は誰にでも平等にあって、時間とは何か?という事をハリネズミくんが教えてくれます。
感想
ちょっと難しいテーマだけど、今回ご紹介の絵本は「今」を大切にしようというメッセージが多いです。
英語で「今」のことを「present」
読み聞かせで「今」この瞬間を大切にしたいと心から思える絵本です。
モチモチの木
斎藤隆介作
滝平二郎絵
岩崎書店 1971年
あらすじ
豆太は夜中にひとりでおしっこにいけない男の子。
じさまと2人で暮らしています。
ある日、じさまの具合が悪くなって、豆太はじさまのために、お医者さんを呼びに行きます。
豆太は無事、じさまを助ける事ができるのでしょうか?
感想
じさまのためにお医者さんを呼びにいく豆太の姿がなんとも愛おしいのです。
母親目線と子ども目線とで、また違った意見がでるのですが、どうしても今は母親目線として読んでしまいます。
豆太と同じ心優しい子なら「豆太頑張れー!!」とか自分と重ねて読んでみたり、強がってる男の子も、無意識に豆太を応援している、そんな絵本です。
人間には、人を思いやる気持ち、やさしさ、勇気があるから、人を大切にでき、頑張っていけるんだと思います。
人にしか出来ない事、絵本を読めば、子どもも大人もたくさんの事を気づけると思います。