カバ子の日記

生きていてくれるだけで嬉しい

もう一つの顔。母が隠していた衝撃の事実【本心】平野敬一郎 文藝春秋刊

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人生…

 

それは時に、宇宙が私を試しているのではないだろうか?

 

そう思わせるような挑戦をこれまでに、幾度か与えられている気がしてなりません。

 

人生に起こる困難は、自身や周りの成長と自己発見の機会となることがあるんだと私は強く信じています。

 

今日はこちらの本の紹介&感想です。

 

あらすじ


舞台は、「自由死」が合法化された近未来の日本。最新技術を使い、生前そっくりの母を再生させた息子は、「自由死」を望んだ母の、<本心>を探ろうとする。
母の友人だった女性、かつて交際関係のあった老作家…。それらの人たちから語られる、まったく知らなかった母のもう一つの顔。
さらには、母が自分に隠していた衝撃の事実を知る── 。

『本心』特設サイト|平野啓一郎 (k-hirano.com)

作者 平野 啓一郎 (小説家)

1975年愛知県蒲郡市生。北九州市出身。京都大学法学部卒。
1999年在学中に文芸誌「新潮」に投稿した『日蝕』により第120回芥川賞を受賞。40万部のベストセラーとなる。
以後、一作毎に変化する多彩なスタイルで、数々の作品を発表し、各国で翻訳紹介されている。2004年には、文化庁の「文化交流使」として一年間、パリに滞在した。
美術、音楽にも造詣が深く、日本経済新聞の「アートレビュー」欄を担当(2009年~2016年)するなど、幅広いジャンルで批評を執筆。2014年には、国立西洋美術館のゲスト・キュレーターとして「非日常からの呼び声 平野啓一郎が選ぶ西洋美術の名品」展を開催した。同年、フランス芸術文化勲章シュヴァリエを受章。
また、各ジャンルのアーティストとのコラボレーションも積極的に行っている。
著書に、小説『葬送』、『滴り落ちる時計たちの波紋』、『決壊』、『ドーン』、『空白を満たしなさい』、『透明な迷宮』、『マチネの終わりに』、『ある男』等、エッセイ・対談集に『私とは何か 「個人」から「分人」へ』、『「生命力」の行方~変わりゆく世界と分人主義』、『考える葦』、『「カッコいい」とは何か』等がある。
2019年に映画化された『マチネの終わりに』は、現在、累計58万部超のロングセラーとなっている。
長編英訳一作目となった『ある男』の英訳『A MAN』に続き、『マチネの終わりに』英訳『At the End of the Matinee』も、2021年4月に刊行。

『本心』特設サイト|平野啓一郎 (k-hirano.com)

 

 

プロローグ

読み始め(私には少し難しいかも?)と思いましたが、ページをめくる手が止まりませんでした。

 

どの日常をとっても「今この瞬間」は2度と戻ってはこないんだと、その重みを噛み締めながら、ページをめくっていきました。

 

第一章 母を作った事情

人の本心はいったいなんだろう。

 

もし、私ならと母親としての気持ちとその息子である主人公の両方の気持ちを考えながら読みました。

自由死とは?

自分で自分の人生をお終いにすること

 

母が口に出した「自由死」

ある日突然母親からその言葉を耳にしたとき、子供はどう受け取るだろう?

 

私が娘としての立場なら、主人公と同じ様にしたのかもしれません。

 

私が独身で母親と同居している立場だとなおさらかもしれません。

 

今までは自分の世界観だけで考えていた「自由死」について考えさせられました。

 

第二章 再会

バーチャルの世界で創り出された母親

 

心が満たされるってなんだろう?

 

主人公の母親があえて写真の自動修正していたわけは何故?

 

「生きる」この言葉を文章で表すことで、様々な意味を考える事になるなんて、若い頃の私には想像がつかなかった。

 

 

第三章 知っていた二人

 

自分は、自分の家族の何を知っているのだろう?

 

家族であっても、他人の本心なんて分からない。

 

私が今まで思っていたのは自分が、(相手はきっとこう考えているだろう)という事にすぎない。

 

相手の見ている世界を自分なりに理解する。

 

これは、非常に難しい。

 

たとえ、親子であっても…

 

自分の知らない「母」

 

バーチャルの母には心がないけれど、学習していき、より本物の母親に近づいていく。

 

果たしてそれは、本当に本物に近づくのだろうか?

 

心のないAIに相手を理解出来るだろうか?

 

子供の幸せを願う母親は多い。

 

子どもに残しておきたいものがあるとしたら…

 

それは、「お金」か「本人そのもの」なのか?

 

歳をとり介護が必要となっても、子供は「お金」より「本人そのもの」を必要としているだろうか?

 

元気で自立出来るのであれば多くの方は、何歳になっても生きていて欲しいと思うのではと思います。

 

それが、他人のお世話になることになると考えは変わるのでしょうか。

第四章 英雄的な少年

 

前回読んだ「未来」と重なりました。

 

 

jibunnnoikikata.hatenablog.com

 

母が主人公に対する本心は一体何だったのか?

 

第五章 心の持ちよう主義

悲しませたくないから本心ではない行動をとる

守るものがあるから本心とはないこと口にをする

 

今までは大切な母親がいたから

 

今はもうその母親がいない

 

自分の知らない母親

 

自分の知らなかった世界が、あるという事

 

知らなかった。というより知ろうとしていなかったのか。

 

向き合うということ。

 

どの言葉が正しく、しっくりくるのか分かりません。

 

もし、自分が信じていた何かを現実では違うと知った時、どんな気分になるんだろう。

 

それが、本人からの口からではなく、他人から知らされたとしたら。

 

頭を思い切りハンマーか何かで後ろから殴られた様な衝撃と思うと怖くなりませんか?

 

そしてそれは、ほとんどの人にとっては、実際に降りかかるまでは他人事なのかもと思いました。

 

第六章 死の一瞬前

 

死の一瞬前。

 

もしあなたなら、その瞬間誰といたいですか?

隠していたことは、騙した事になるのでしょうか?

全てを、伝えるべきでしょうか?

あるいは、騙されたふりをしたまま?

 

最期のとき、名を呼ぶ相手がいたら愛ある人生をいきたということ。

 

私は死の一瞬前、家族に看取られたいと思いました。

 

第七章 嵐のあと

三好の言葉にハッとしました。

 

以前どこかで、似たような言葉を聞いたことがあるのです。

 

これは現実なのか、フィクションなのか分からなくなりました。

 

 

第八章 転落

どの時代にも嫌がらせ行為はあるので、この章の前半は読んでいて気分はよくありませんでした。

メロンの一件、主人公の気持ちを考えるとやるせなかったです。

 

私はゲームをしませんが、主人公と三好の会話で宇宙空間の「縁起」というアプリは体験したいと思いました。

 

第九章 縁起

メロンの一件から三好に教えてもらった縁起のアプリ。

主人公の生活がここから少しづつ変わっていきます。

 

第十章 あの時、もし跳べたなら

相手の本心を見抜くにはどこを見るのか?

 

機械ではなく人間であり、沢山の経験をした人だからこそ、相手の本心を見抜ける力が備わるのかもしれません。

 

第十一章 死ぬべきか、死なないべきか

結局人はただ側にいるというそれだけの理由で誰かを好きになるのであって逆に言えば、側にいる人しか好きになれない

相手を思いやる気持ち、自分の気持ちに正直になれない、男女間の友人関係。

相手の事を考えると、自分の本当の気持ちが分からない事があります。

自由死についての議論

私は最初自由死は賛成と思っていました。

けれども他人が決定した結果だと賛成するだろうか。

他人の命に関わる事だと反対するのではないかと思いました。

 

自由死についても、今はまだ正直分かりません。

 

結局私は未だに何もわかっていないのだと思いました。

第十二章 言葉

主人公と三好がタクシードライバーの映画をみて会話する部分があります。

タクシードライバーのあらすじ

ニューヨークでタクシードライバーとして働くベトナム帰還兵で不眠症で悩まされる青年の生活を描いた映画です。

 

タクシードライバーと娼婦の組み合わせと2人の共通点は何かわかる?

 

この答えはそうだよね~と思いました。

 

第十三章 本心

 

愛 時間 死

これらを考えた時、他者と死を分かち合うということは、どういうことなのか?を考えさせられます。

 

簡単そうにみえるけれど、これが結構難しいと思います。

 

相手の世界を自分なりに理解し、相手と時間をかけて一緒に話し合う事ってなかなかできないと思います。たわいのない話は幾らでも出来るのですが…

 

第十四章 最愛の人の他者性

今まで色んな本を読んできたのに、あまりにも多くの事に関してスルーしてきた気がします。

 

平野啓一郎さんの本は1つの物事を深く考えさせられる事が多いと思いました。

最愛の人の他者性

他者性とは?

相手の立場に立って自分を眺める

自分をベースにして相手を理解する

 

それは愛する人を想うほど、自身が考えている事が本心なのか、分からなくなるのかも知れません。

 

愛する人の本心をあなたは分かりますか?【本心】のまとめ

 

私は自身に降りかかるさまざまな困難を乗り越えるために、以下の様に捉えることを心がけています。


    
 果てしない困難に対して

 

果てしない障害に直面すると、それは自身の決意を試されているサインだと捉える。

 

落胆するのではなくこれらは回復力強化する。

 

そして問題解決のスキルを開発する機会と捉える。


予期せぬ変化に対して

 

なんで?と哀しみに打ちひしがれて、この世に対する不満をぶちまけ、宇宙を恨むと思います。

 

宇宙はしばしば私たち家族を予期せぬ道に導きます。

 

仕事、人間関係、健康など、人生で大きな変化に直面している場合は、それを適応し成長の機会とする。

 

時には望ましくない変化が新たな可能性の扉を開くこともあるかもしれないと信じて。

 

人間関係に対して

 

人間関係はしばしば試練を経験します。

 

はじめは相手を憎み、許せないという感情がわいてしまうかも知れません。

 

けれども、人間関係で衝突や試練を感じる場合は、忍耐強く、これらの障害を乗り越えることに取り組むようにしています。

 

不快感と不満に対して


現在の状況に不快感を感じることは、宇宙がより意義深いものを求めるよう促しているサインかもしれません。

 

この不快感を燃料に、新たな可能性を探求し、自分の価値観や情熱に合った目標を設定し、新しい道を進んでいくこと。

 

くり返されるパターン、偶然の出会い、予期せぬ洞察に注意する事が大切だと思っています。

 

これらは、その時点で明らかでなくても、宇宙が正しい方向に導いているサインだと信じて。

 

宇宙の試練は個人的および精神的成長の機会です。

 

回復力とポジティブな考え方で挑戦に立ち向かうことで、これらの経験を充実した意義深い人生への踏み台に変えることができるのではないでしょうか。

 

まずは抵抗するのではなく、宇宙が提供する教訓を受け入れることからはじめてみる。

 

愛する人をより深く知るために…