カバ子の日記

生きていてくれるだけで嬉しい

【流れる星をつかまえに】あらすじとネタバレ感想吉川トリコ ポプラ社 

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家族仲がしっくりいかなく、ウジウジしていた主婦、16歳になる直前まで在日韓国人と知らなかった姉妹、ゲイであることに悩む男子高校生、血のつながっていない子供との関係など。

生きづらい日常に、悩みながら踏み出していくそれぞれの主人公の行動が、頑張ろ!って思えるお話です。

短編になっているので、読みやすかったです。

【流れる星をつかまえに】あらすじとネタバレ感想

ママはダンシング・クイーン

家族仲がしっくりいかず、生き方に迷う主婦の話。

 

夫・高校生の娘・小学生の息子を持つ主人公のなつみ。

家族からは働くママロボットの様に扱われ、自分の居場所が見いだせないでいる。

 

学生の頃から冴えないメガネの女の子だった主人公。

どこにでもいる普通の主婦という感じがしますが、本人の人生は学生の頃からアメリカの学園ドラマでいうところの「ナード」らしい。

 

「ナード」とは、英語において、スポーツが苦手で社交性にかけるタイプの人のこと。

 

アメリカのドラマでいう「ナード」はものすごく地味で、誰からもプロムにも誘われず、自宅でパパとママと一緒にアイスクリームをドカ食いするイメージの女の子です。

 

ドラマでは、そんな女子が周りの協力によって魔法に掛けられたみたいに大変身し、学園一のイケメン男子と恋愛関係になるというお決まりですが、主人公はそんなドラマを見てさらに落ち込んでいる毎日。

 

私はアメリカのプロムが羨ましくて「日本にもあれば良いのに~」と当時は思ったものですが、主人公は生まれたのがアメリカでなくてプロムがなくて良かったと心の底から思っているのでした。

 

そんななつみが、ふとしたきっかけで、【ドラゴンズ☆ママチア】のチアに参加する事になります。

 

参加条件は、

①8人以上のチームであること。

②メンバー全員がママであること。

③ドラゴンズloveであること。

 

チアダンスをやろうと思ったきっかけは娘の幼なじみ、美鈴ちゃんの美人ママに対する嫉妬心から。

美鈴ちゃんママは、学生の頃からイケてる感じで、そんな彼女に主人公は羨ましく思うのでした。

そして美鈴ちゃんのママに会うたびに、何かがチクりと胸を指す。

娘や夫が彼女を褒めると、みじめでたまらなくなる気持ちが、彼女をチアをしようと決心させたのでした。

 

「ナード」まではいかないけれど、家族からそんな綺麗な人と比較されて、ちょっと小馬鹿になんかされたら、いたたまれない気持ちになると思います。

 

私も娘に「○○ちゃんのママ美人」とかってよく聞かされました。

子供って正直なもんだから、それが結構当たってて確かに「美人」なんですよね~。

そんでもって、なぜか美人ばっかり集まっちゃってたりする…

美人だけじゃなくて、インテリだったり、職業や運動神経抜群などなど。

そんな中、自分だけなんか場違いじゃない?ってなるともう「あ”ーー」ってなります。

 

自分が一番気にしている事を子供や夫に言われたらもう、「はいはい、そうですか」ってなりますよね~。

 

職場仲間やらかき集めてなんとか集まったのが7人。

 

人数が1人足りなく、一緒にやりたくなかった美鈴ママを誘ってチアをやる事になり、表面上の付き合いしかしてこなかった美鈴ママとの距離が近くなっていきます…

 

娘が同級生という事もあり、お互いの悩み、娘のこと等を話していく感じが読んでいて気持ちが良かったです。

 

表面上の付き合いだとそれまでですが、少し腹を割って話すと見えてくるものがあります。それでも深くは入り込まず、お互い助け合って程よい距離での付き合い。

 

人っていいなぁと思う瞬間ですね。

 

それから…美人は美人で悩む事があるみたいです。

生きている限り、悩みなんてものはなくなりません。

 

高校生の娘が毎日不機嫌なのも、何がそう娘を怒らせるのか、傷付けるのか誰にも分からないんです。

 

普段通りに接していても、急に怒ったりする。

こっちは「はっ??」ってなって頭に来ますが、これでも母親は気を遣ってたりするんです。

 

頭ごなしに叱っても逆切れされるだけ。

ガマンガマン!!

母親業は、心配と忍耐あるのみ。

そして完璧な親になんてどこにもいないんだということ。

 

完璧なんてなれないし、目指さなくてもいい。

分かりあえる友人、自分を信じてやりたい事をやる。

そうすると主人公のまぶしい笑顔がこちらまで、見えてくる気がしました。

 

短編にはなっていますが、登場人物は全て繋がっています。

ママはダンシング・クイーンの他に、

他に私の名前はキム・スンエ

彼が見つめる親指

私はそれを待っている

36年目の修学旅行

プロムへようこそ(現題:Prom)があります。

 

その中でも私は【ママはダンシング・クィーン】が面白かったです。

どの時代もどの世代も悩みはつきません。それでも毎日楽しく生きたほうがおもしろい!!

自分は自分でいいんだと思える内容でした。