カバ子の日記

生きていてくれるだけで嬉しい

生きにくさを感じたら【ザリガニの鳴くところ】早川書房

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私達は、気づかないうちに疲れやストレスを抱えてしまっています。

便利で快適な生活の中で暮らしていると、それが分からなくなっているのかもしれません。

スマホで手軽に情報を得てしまったら、本当はとても大切なコミュニケーションを取らないといけないのに、つい取ったつもりになってしまっていて、大事なサインまで見逃してしまうことになるのです。

 

そんな時はゆっくり休みましょう。

そして映画や本を読んでみてはどうでしょうか。

 

もし生きにくさを感じたら、寂しいと感じたらこの本を開いてみてください。

 

著者

ディーリア・オーエンズ

ジョージア州出身の動物学者、小説家。

ジョージア大学で動物学の博士号を、カリフォルニア大学デイヴィス校で動物行動学の博士号を取得。

現在はアイダホ州に住み、グリズリーやオオカミの保護、湿地の保全活動を行っている。69歳で執筆した本作が初めての小説である。

 

登場人物

キャサリン(カイア)・クラーク

湿地のほとりの小屋に住む女性

ジョディ

カイアの兄

テイト・ウォーカー

村の青年。ジョディの友人

チェイス・アンドルーズ

村の裕福な青年

 

物語のあらすじ

ノース・カロライナ州の湿地で男性の死体が発見されるところから始まります。

疑いをかけられたのは、「湿地の少女」と呼ばれる1人の女性。

彼女がこの物語の主人公です。

 

主人公の名前はカイア。

 

6歳で家族に見捨てられノース・カロライナ州の湿地に1人で生活しています。

 

カイアは周りの同じ歳の子なら小学校へ行く時から、湿地の小屋でたった1人で生きて行かなければならなかったのです。

 

当然読み書きも出来ませんでしたが、ある日兄の友人だったテイトに読み書きを教えて貰うことになります。

2人の間に恋心が芽生えますが、テイトの大学進学をきっかけに2人は離れ離れに。

 

彼女を影で見守ってくれる人は、雑貨店を営む黒人の夫婦とテイトだけでしたが、テイトが村を離れてからは、村の人々から「湿地の少女」と呼ばれ蔑まれながらも彼女は生き物が自然のままに生きる「ザリガニの鳴くところ」へと思いをはせながら、静かにくらしていました。

 

彼女はとても美しい女性へと成長していきます。

 

そんなある日、村の裕福な青年チェイスが彼女に目を付け近づいていきます。

 

美しい自然と共に生きる彼女の成長と不審死事件。

 

彼女の身に一体何が起こったのか???

 

思いもよらないラストへと物語は進んでいきます…

 

誰かがあなたを必要としている!最後まで目が離せない【ザリガニの鳴くところ】の感想

読み始めると目が離せなくなり、ゆっくりと読むつもりが一気に読んでしまいました。

6歳からずっと1人のカイアは村の子たちとは違います。

誰かと上手く話すこともできません。

当然人の多いところも苦手です。

他人とコミュニケーションを取るのが難しい。

それでも彼女はいつも自然と一緒。

生きて行くためには何をどうすればいいのか?

それを逐一ノートに書いています。

 

私にも息子と娘がいるので、親として重ねて読んでしまい胸が痛む部分もありました。

 

テイトをひたすら待ち続ける主人公の気持ち、村の人たちの彼女をみる目、もし自分が同じ立場だったら等々。

 

「愛」「家族」「孤独」「生命」とは?

 

この本で考えさせられる事がたくさんある様に思いました。

 

主人公のカイアは一歩ずつゆっくり前を進むために困難に立ち向かっています。

 

誰でも孤独や生きにくさを感じる事ってあると思います。

 

そんな時、誰かが必ずあなたを必要としている事を思い出して欲しいです。

 

広大な自然が持つ「優しさ」と「残酷さ」が彼女に教えてくれたこと。

一歩一歩前に進んで行く彼女の成長は、勇気をもらえます。

 

最初題名からは想像がつかなかったのですが、本を読み終わった今「ザリガニの鳴くところ」とはどこにあるのか?が少しだけ分かった気がします。