ジュディ・ガーランドと聞いて何を思い浮かびますか?
私は「オズの魔法使い」です。
ジュディ・ガーランドを知らなくても「オズの魔法使い」ならご存知の方も多いはず。
「オズの魔法使い」は夢の世界でした。少女ドロシーがカンザスの農村から家ごと吹き飛ばされて魔法の国へ行くと、白黒のカンザスと違って鮮やかなカラーで映し出されます。
ライオン、かかし、ブリキ男と一緒になってオズの魔法使いに会いに行くお話でした。
映画「ジュディ」はその「オズの魔法使い」ドロシーを演じ名曲「オーバー・ザ・レインボー」を歌った彼女の晩年を描いた映画です。
- 2歳から子役として稼ぎ手にジュディ・ガーランド
- 薬漬けにされるジュディ・ガーランド
- 母親への不信感は彼女の中に深い傷を負わせた
- 心はどれだけ愛したかではなく、どれだけ愛されたかだ
- 感情を押し殺してはいけない
- 本当の自分を知ることの大切さ
- 薬漬けにされ身も心もボロボロに【ジュディ・ガーランド】の生涯のまとめ
2歳から子役として稼ぎ手にジュディ・ガーランド
ジュディ・ガーランドは1922年客前で演芸やショーをで生計を立てていたピアノ弾きの母エセル・ガムと歌手の父フランクの間に生まれます。
両親は7歳上のスージー、5歳上のジミー、そしてジュディの3姉妹を舞台へと連れ出し芸をさせていました。
彼女達が見せる歌やダンスは人気がありましたが、特にジュディはずば抜けた才能がありました。
ジュディの歌声はどこで歌っても目立つ存在となります。
母親はジュディだけで商売を始めようと提案しますが、父親は家族の不和を考え猛反対。
夫婦仲がとうに冷え切っていた夫の意見を聞くはずもなく、母親はジュディを大舞台に引っ張り出します。
両親共に複雑な秘密があり、母親からは望まれない子として生まれたジュディ。
家計の役に立ってもらわねばとビジネスとして、娘を利用する母親。
スターにすれば、産んだ甲斐があると…
薬漬けにされるジュディ・ガーランド
歌が上手くて愛くるしいジュディでしたが、スクリーンのイメージとは正反対の悲惨な生活を送っていたみたいですね。
普通の生活を望んでいたジュディ・ガーランド。
普通が何か分からないけれど、親に愛され、毎日決まった時間に起き、朝ごはんを食べ、学校に行き友人と遊び、決まった時間に眠ることが出来る。
そんな生活が彼女の憧れだったのだと思います。
胸が張り裂けそうな気持ちで映画を観ました。
母親への不信感は彼女の中に深い傷を負わせた
他のスターに比べて背が低く、少しだけふっくらされてたジュディにMGMは無理な減量を要求し、食事の代わりのように減量の為の薬物を与え、眠れないと訴えればやはり薬物を与えるという具合で若い頃から薬物依存、のちにアルコール依存も加わるそうです。
精神状態も不安定となり、結婚と離婚、そして自殺未遂を繰り返す。
何度もどん底に落ち、何度もカムバックをし、トラブルを重ね、1969年に47歳の若さで亡くなります。
心はどれだけ愛したかではなく、どれだけ愛されたかだ
オズの魔法使いより
母親と会社に薬漬けにされ、もがきながら進む人生の道。
誰も助けてはくれない。
安らぎを求め、愛されるという満足感を得たい気持ち。
傷付けられた心は決して癒されることはありませんでした。
感情を押し殺してはいけない
感情を押し殺してはいけないとつくづく思います。
何でも自分の内部で消化し、自分の内部で処理し続けた孤独なジュディ・ガーランド。
性格にもよりますが、ここでは最悪の環境でした。
子供と向き合い認め、寄り添う事の大切さを考えさせられます。
本当の自分を知ることの大切さ
ジュディは誰よりも傷つきやすく、誰よりも愛に飢えた人だったのに、過去のトラウマから自分の弱さを素直にさらしだす事が出来なかった。
自分を知るということは大事ですね。
私自身も本当の自分がよく分からないのかもしれません。
どんな時に傷つくのか、どんな時にストレスを感じるのか、改めて自分を見直すきっかけになる映画でもあると思いました。
このジュディ・ガーランドを演じるのが私の好きな女優さんで「ブリジット・ジョーンズの日記」で有名になったレネー・ゼルウィガー。
役が上手く、ブリジット・ジョーンズの時はふっくらした顔立ちの役でしたので、今回ジュディの役をどう演じられるのか、どうやって痩せこけた雰囲気を出すのか興味がありました。
ほっそりとした身体に猫背の歩き方。
自身の体重をコントロールするのは大変ですが、女優さん達はやってのける!
凄すぎる!!
薬漬けにされ身も心もボロボロに【ジュディ・ガーランド】の生涯のまとめ
ジュディ・ガーランドは幼少の頃から馬車馬のように働かされていました。
本人の気持ちを汲み取られることもなく…
人間は機械ではありません。
心があります。
一旦調和が乱れてしまった時、まるでガラスのようにぐしゃりとヒビが入って、周りに破片が飛び散って全てが一瞬にして崩れ落ちます。
それでも、一つづつ、壊れたところを修復することは可能だと思います。
決して簡単な事ではありませんが、完全に元に戻らなくても1つづつ治していく事は出来ます。
気づいた時から、一歩前へ進む勇気と周りの協力が必要だとこの映画を観て思いました。