カバ子の日記

生きていてくれるだけで嬉しい

月10万で豊かな暮らし方【おネコさま御一行】れんげ荘物語 群ようこ

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有名広告企業を退職し、貯金を崩し働かないで月10万円での暮らしを楽しんでいるキョウコ。

周りからどう思われようが、自分の楽しみを今日も見つけています。

 

【おネコさま御一行】れんげ荘物語:あらすじ

早期退職したキョウコは、相変わらず古いアパート「れんげ荘」で暮らしています。
キョウコが愛してやまない近所の飼いネコ・ぶっちゃん。
キョウコの兄夫婦のところに、突然やって来たおネコさま御一行。
「れんげ荘」の住人・チユキさんの彼が飼いはじめたイヌのえんちゃん……。
無職でひとり身のキョウコは、将来に少々不安を感じながらも、ネコやイヌ、鳥や花や隣人とのお茶の時間、
図書館で借りた図鑑……などに気もちを和げてもらいながら、日常にささやかな喜びを見つけて生きていく

自分にゆとりが出来ると、今まで気づかなかった小さな幸せが見えてくるキョウコ。

どちらかというと、キョウコの考え方に似ている私は今日もまたそんなキョウコと一緒にのんびりと日常の旅に出かけます。

【おネコさま御一行】れんげ荘物語:作者群ようこ

1954(昭和29)年、東京都生れ。六回の転職を経て、本の雑誌社勤務時代にエッセイを書き始め、1984年『午前零時の玄米パン』を刊行、独立する。『トラちゃん』『鞄に本だけつめこんで』『膝小僧の神様』『無印おまじない物語』『ネコと海鞘(ほや)』『またたび回覧板』『飢え』『ヤマダ一家の辛抱』『ビーの話』『小美代姐さん花乱万丈』『きもの365日』『平林たい子伝 妖精と妖怪のあいだ』『かもめ食堂』『しいちゃん日記』『ぢぞうはみんな知っている』『おんなのるつぼ』『れんげ荘』『パンとスープとネコ日和』『おとこのるつぼ』『ゆるい生活』『じじばばのるつぼ』『うちのご近所さん』『子のない夫婦とネコ』など著書多数。

群ようこ | 著者プロフィール | 新潮社

 

【おネコさま御一行】れんげ荘物語ネタバレ感想

田舎での人間関係にも困ったものです。事実婚をし山にこもって仏像を彫っている彼の元へ訪ねるチユキさんに、ご近所さんたちは興味津々。

自分たちが周囲の人たちについてすべてを知っていないとダメみたいな感じ。

「ご近所のひとたちは、周辺の人物情報はすべて共有しているようです」

私も田舎に住んでいますが、これほどひどいとちょっと困ります。

他人の家に勝手に上がったりされるのは、プライベートもあったものじゃありません。

 

彼らはずっとその土地で、そのような考え方で暮らしてきたのである。それを外から他人との距離の取り方を学べ、慣れろ、常識はずれだなどとはいえないのではないだろうか。すべて自分の物差しでしか測れないのは問題なのではないか。しかし自分の物差しがないと生きていけない。いちばんいいのは、距離をおくことだが。」

過去と他人は変えられないので、自分がストレスを溜めないよう上手くすり抜ける術を身に着けることも大事だと思います。

 

チユキさんよりも田舎に住んでいると思われる若いカップル。

どうやら、田舎に引っ越したものの、老人たちのいじめ被害にあっているらしい。

「自分の人生は、待っていても誰も変えてくれませんからね。自ら行動を起こさないと、ずっとそのままですよ。思い切って農業に飛び込んだのだから、これからも状況を変えていけるんじゃないですか」

友人でもなく、行きずりのものとしてのアドバイスしか出来ず困ってしまったチユキさん夫婦。

生きていると本当に色んな事があるものです。その都度自分はどうしたいのか。をしっかり持っていないと流されてしまいそうで、怖いです。

 

母親との確執があったキョウコですが、母親はわがままな人で人を突き飛ばすような罵詈雑言が多々ありました。

その理由を友人で高校の教師をしているマユちゃんはこう話します。

「気を引きたいんじゃないの、そういう刺激的な発言をして」

「えーっつそんなことってある?」

「ほら、子どもが汚い言葉を使って喜ぶじゃない、大人たちがいやな顔をすると余計にいったりして。あれと同じような気がするけど」

「プラスの言葉より、マイナスの言葉の方が人の気を引くじゃない。お母さんは意識的じゃなくて、無意識にそういうクセがついていたんだと思うな。きっと寂しい人だったのよ」

人というのは、どこまでが本音で何を考えているのか分からない人が多いような気がします。本人ですら本当の自分が分からないのかもしれません。

マユちゃんはこういって締めくくります。

「これからは最高の人生じゃないの。文句を言う人はいなくなったし、完全に自由になれたじゃない。それなのにつまらない思い出をわざわざ自分から引きずり出して、悩む必要なんかないわよ。そんなことをしたて、過去が改善されるわけじゃないんだから。私たち、先が限られてきているんだから、前を向いて楽しいことを考えたほうがいいって」

つい余計な事を考えてしまう。それよりも少しでも前を向いて楽しいことを考えるのは私もそうしたい気持ちでいっぱいです。

 

今回はネコや犬を飼う事になって動物との関わりが多かった物語となっていました。

私も動物は好きですが、結局お世話が出来ないと今まで飼わずにきてしまいました。

動物とのふれあいの場面は想像するだけでとても可愛くてほっこりとした気持ちになります。

動物好きの方、ネコや犬を飼っている方なら(そうそう、そうなのよ)と思う所がたくさんあって読んでいて楽しくなること間違いありません!!