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【働かないの れんげ荘物語】ネタバレ感想 群ようこ 

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働かない生き方を選択したキョウコ。

キョウコの生き方が読んでいて心地よかった。

自分を責めるクセ、生活しながら日々考えさせられること。

読んだ後はほっこり紅茶でも飲みたくなりました。

 

 

 

あらすじ

こんな私に親切にしてくれてありがとう――四十八歳になったキョウコは、まだ「れんげ荘」に住んでいた。相変わらず貯金生活者で、月々十万円の生活費で暮らしている。普段は散歩に読書に刺繍、そして時々住人のクマガイさんらとおしゃべり――そんな中、「れんげ荘」にスタイル抜群の若い女性がリヤカーを引いてやってきた!悩みも色々あるけれど、おだやかに流れる時を愛おしみながら、ささやかな幸せを大切に生きる

 

【働かないの れんげ荘物語】ネタバレ感想 

れんげ荘と聞いただけでなんとなく古びたアパートかなと思う偏見。

ネーミングって大事だなと思う。○○荘というだけで、読まなくてもそう思ってしまうから。実際家賃3万円の古びたアパートでした。

 

主人公のキョウコは48歳。

無職。

大手広告代理店でバリバリ働いていましたが人間関係に疲れ、働かない生活を選択し現在、貯金を切り崩し月10万で生活しています。

 

物語の主人公が自分の性格に似ていると読むのは楽しい。

似ていないと、羨ましくなったり、憧れたり…

腹を立てたりと小説なのにイチイチ感情が入ってしまいます。

 

今回の本の主人公はなんとなく自分に似ているなぁと思ってしまいます。

 

「自分が考えているよりも実はずっと体にダメージを受けているのよね。まだ若いつもりできっとこんなことが出来ないはずはないて思っているのかもしれないけれど、出来ないのが現実なのよね。出来ないはずがないとあまりに思い詰めると自分の身体が可哀そうだからできない自分を認めてあげたほうがいい」

 

そうなんですよね。出来ているつもりでも出来ないって辛いですね。

 

「もうちょっと適当でいいんじゃないの」

 

これも分かりますね。適当な部分もあるんだけれど、適当に出来ない所もある。

人によってその部分が違うから面倒です。

 

そしてその「適当」は漢字の適当ではなくて、カタカナの「テキトー」に生きるのがいいのだ。

 

生き方のテキトー。

 

今まで真面目に暮らしていた人がそうするには難しいかもしれませんが、自身の固定概念は払拭したいものです。

 

「こうでなければ」という考え方はいらないなぁ~。

 

人には人の生活があって生き方がある。

そうやって色々割り切れる事が出来たら生き方も楽になるんだろうなぁ~。

 

散歩の途中に、寝具を干してある老人の部屋を見かけるキョウコ。

干してあるシーツが茶色に変色していて相当使い込んでいるように見えます。

 

彼にとってはそれが普通であっても世の中からすればそうではない。

個人的な事で、誰にも迷惑をかけていないといえばそうなのだが、1人暮らしとはいえ、生活のなかで自分なりのラインは引いておきたい。

 

シンプルかつ清潔に生活するのが良いなぁと思います。

 

散歩に出て、ふとした生活の一部を見て様々な事を考えるキョウコ。

会社に勤めていなくても、世の中に一歩でれば学ぶ事はたくさんあるのでした。

 

そういえば、本を読み始めてから「読みたい」本が増えました。

本の中に出てくる知らない小説なんかは、あらすじを聞くと読みたくなります。

ミステリーはあまり読まないジャンルでしたが、江戸川乱歩の「屋根裏の散歩者」や「人間椅子」はまだ読んでいないので読みたいです。

それぞれ簡単なあらすじを書いておきますね。

「屋根裏の散歩者」のあらすじ

何においても無気力な主人公。

ひょんなことから明智小五郎と知り合いになります。

今まで何に対しても興味がなかった主人公でしたが、その異常な性格が小五郎の話に引き込まれていきます。

そんなある日偶然屋根裏の入口を見つけます。

昼夜問わず屋根裏を散歩し、天井の隙間からみる他人の生活。

そして、ある犯罪を思いつくのでした。

人間椅子」のあらすじ

外交官の夫を持つ女流作家と外見にコンプレックスを持つ椅子職人の「私」からの手紙。

それは「私」が犯した罪の告白だった。。

最後にどんでん返しがあるようなのですが、なんだかとても怖いです。

 

母親との確執があるキョウコ

親の言葉は良い事柄も悪い事柄も子供の心の中に残り続けるものなのだ。

父親・母親の価値観や環境は子供にとって、とても影響があると思います。

そして一度信頼を失ってしまうと、取り戻すのにとてつもなく時間がかかるということ。

近すぎると見えないものがたくさんあるのかもしれません。

 

性善説

性善説があると思いますか?

私はないと思っています。

以前の私はあると思っていました。

特別何もなく平穏に過ごしてきた人はそう思うのかもしれません。

 

物事が性善説だけで片付けられればそんなに楽な話はない

 

生まれつき根性が悪く他人の足を引っ張りたがる人もいると思います。持って生まれた性格はあると思います。勿論、彼ら彼女たちにも良い所はあると思いますが、そんな人たちがごちゃ混ぜになったのが世の中なんだと思います。

 

少しは自分を褒める

少しは自分を褒めてあげてもいいんじゃないの?

何をしたからとか、何をしてあげて喜ばれたというんじゃなくても、今日もつつがなく暮らせて良かったって、それだけで十分じゃないの」

 

その通りなんだよなぁ。

私はいつもこうしないとって言われてきたし、しなければと思っていた。

それが全部って事はないのだけれど、「しなければ」というのはずっとどこかに残っていてそれが子供にも知らない間に当たり前の様に引き継がれるのだ。

日本人の多くはそうだと思います。

 

ややこしい問題はその問題が発生したら考えればよい

何もないのに、わざわざ問題を発生ささえる必要なんてどこにもない。

だからのんびり生きていいのだ。

 

キョウコの生き方

キョウコは私と年齢や考え方も似ていたので、共感しながら読みやすい本でした。

以前の旅行の思い出も行ってみたいと思える場所でした。(ちなみにイタリアでした。)同じ絵や景色を見ても人それぞれ感じ方が違います。生き方だってそう。他人に迷惑かけず、入り込まないけれど助け合いながら、自分が心地良かったらそれがいい。

 

同じ本を読んでも人それぞれの感想があると思います。

私は読んでいてとても心地が良かったし、キョウコを応援したくなりました。

 

群ようこさんの本の記事☟

jibunnnoikikata.hatenablog.com