カバ子の日記

生きていてくれるだけで嬉しい

【女たちの避難所】ちょっとネタバレ感想

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友人に【女たちの避難所】という本を紹介してもらいました。

 

作者は垣谷美雨さん。

作者の本は何度か読んでいて共感する部分が多いので好きです。

 

【女たちの避難所】は知りませんでしたが、あらすじを読んで(読んでみたいな)と思ったので、早速読んでみました。

 

あらすじ

九死に一生を得た福子は津波から助けた少年と、乳飲み子を抱えた遠乃は舅や義兄と、息子とはぐれたシングルマザーの渚は一人、避難所へ向かった。だがそこは、“絆”を盾に段ボールの仕切りも使わせない監視社会。男尊女卑が蔓延(はびこ)り、美しい遠乃は好奇の目の中、授乳もままならなかった。やがて虐げられた女たちは静かに怒り、立ち上がる。憤りで読む手が止まらぬ衝撃の震災小説。『避難所』改題。

作者

垣谷美雨
カキヤ・ミウ

1959(昭和34)年、兵庫県生れ。明治大学文学部卒。2005(平成17)年、「竜巻ガール」で小説推理新人賞を受賞し小説家デビュー。結婚難、高齢化と介護、住宅の老朽化などの社会問題や、現実に在り得たかもしれない世界を題材にした小説で知られる。著書に『リセット』『結婚相手は抽選で』『七十歳死亡法案、可決』『ニュータウンは黄昏れて』『夫のカノジョ』『あなたの人生、片づけます』『老後の資金がありません』『女たちの避難所』『夫の墓には入りません』『姑の遺品整理は、迷惑です』『うちの子が結婚しないので』などがある。

垣谷美雨 『女たちの避難所』 | 新潮社

 

登場人物:怒れる3人の女たち

椿原福子(つばきはら・ふくこ)55歳

津波に吞み込まれるが九死に一生を得た。

助けた少年と避難所へ向かう。ごく潰しの夫が行方不明になりどこか安堵している。

 

漆山遠乃(うるしやま・とおの)28歳

生後6か月の息子と生き延び、避難所へ向かう。

儚げで目を惹く美人。夫を震災で亡くすが、傲慢な舅と義兄の支配から逃げ出せない。

 

山野渚(やまの・なぎさ)40歳

スナックを経営するシングルマザー。震災で母を亡くし、息子は学校を飛び出して行方不明に。避難所を巡って息子を探す。

 

ネタバレ感想

あらすじと怒れる女たち3人の事情を読むだけで、なんだかひと悶着ありそうな感じが分かります。

 

私も女性としていつどこで、同じ境遇になるか分からないです。

 

読み進むにつれイライラや怒りが湧いてきました。

 

そして読み終わった後全ての女性に読んで欲しいと思いました。

 

普段から「当たり前」はないと思って過ごしていますが、ついついその「当たり前」のありがたさを忘れがちで、毎日を過ごしてしまいます。

 

そんな時はこの本を手にしてみてください。

 

読んでみると普段「当たり前」と思っている風景や家族との何気ない会話がどれだけ幸せなものかとつくづく感じさせられます。

 

「目に見えない怖さ」は、今までの幸せな生活はある日突然にやってきて、全てを奪い去ってしまうのです。

 

人は心に余裕がない時、行き場のない気持ちを誰にどう、ぶつけるのか?

 

その相手がAIだと、人はどうなるんだろう?

 

受け止める側の気持ち、精神力、「人」ってなんだろう?

 

「幸せ」と「不幸」苦しみや悲しみの中でもついつい人と比べてしまう。

 

色んな人の気持ちがとても分かりやすく書かれてあって、胸が痛みます。

 

私もついイライラして家族に気持ちをぶつけてしまったりします。

 

どうしても抑えられない時、全部を吐き出してしまってから、後悔する事もあります。

 

逆に気持ちを吐き出される事もあります。

 

それでも、心に余裕があれば後から反省する事もできます。

 

そんな事をあれこれ考えながら読んでいると涙が出てきました。

 

福子は私と同じ平凡な主婦です。

 

誰からも話しかけられやすい子どもが大好きなおばちゃん。

 

そんな福子も田舎でのおかしいに声を出しておかしいと言えない。

 

田舎ということで、和をくずせないということが本当に腹立たしかったです。

 

いなかにもメリットとデメリットはあります。

 

それでも、トイレが男女別でさえない避難所や仕切りがないということさえ声にだして言えないというのは、読んでいてもストレスそのものでした。

 

遠乃は美人過ぎてどこに行っても目立ってしまう。

 

器量の良い彼女も又舅や義兄に遠慮してしまう所も歯痒かったです。

 

そして美人過ぎるのも人一倍気をつけないといけないし、困ったものだと思いました。

あっ、私は大丈夫ですよ〜

 

人はどんなに良く見えていても悩みは必ずあるもの。

完璧な人はいないということ。

 

隣の芝生はいつも青いんですよね。

 

そして、スナックを経営する渚は大事な1人息子が学校で待機しているものと思っていましたが、学校へ迎えに行くと行方不明だと知らされます。

 

そこで渚がとった行動は決して良くはありませんが、子を思う親の気持ちはとても伝わってきました。

 

そして母親にとって子供とは、子どもが何歳になっても健康で幸せであること、自立し世の中で生活していけること。

 

それが一番の願いなのではないかと思いました。

 

 

垣谷美雨さんの本は人には欲が必ずあって、それでもその欲は誰もが抱くもので、それを振り落とすには勇気がいるということ。

 

そしてその1歩がなかなか進めないということ。

 

それでも困難や経験することで、その一歩を踏み出せること。

 

人生にはどん底に落ちても必ずその先には光が見えるということ。

 

誰しもが失う事を恐れ、守りに入りたくなるけれども作者の本を読むとを光を求めて前に一歩踏み出せるそんな、勇気が湧いてくる気がします。

 

今回も素敵な本をありがとうございました。