
図書館で20人待ちだった本。
ようやく順番がまわってきました。
表紙のシャレコウベが印象的です。
迷惑な終活あらすじ
やり残したことにケリをつけるのが、本当の終活だ。
年金暮らしの原夫妻。妻の礼子はいわゆる終活に熱心だが、夫の英太は「生きているうちに死の準備はしない」という主義だ。そんな英太があるきっかけから終活をしようと思い立つ。それは家族や他人のためではなく、自分の人生にケリをつけること。彼は周囲にあきれられながらも高校時代の純愛の相手に会うため動き始める。やがて、この終活が思わぬ事態を引き起こし──。
【迷惑な終活】感想
団塊の世代の両親を持つ私は、内館牧子さんのリアルな高齢者小説が好きです。
娘として(そうそうわかる)と思ったり高齢者は(こんな風に感じるんだなぁ)と思いながら読んでいます。
物語で気になった部分の感想です。
恐竜好きの主人公
恐竜好きの主人公が恐竜に関心を持ったきっかけは、おもしろかったです。
新聞の見出しでたまたま書いてあった小さな見出し「恐竜の脳こんなに小さい」から。
キッカケというのは不思議です。
そして体が巨大な恐竜ですが、いちばん大きな脳を持つのはティラノサウルスで、424グラム。(530グラム説もある)
人間の脳は約1400グラムなので、その三分の一なんだとか。
ご存知のとおり、ティラノサウルスは体長12~13m、体重は6~9トン。
その脳は、天を突く巨体に、ただ生き抜くことだけの指示しかだせなかっただろう。
食べる。寝る。戦う。種を残す。そして死ぬ
(中略)
1400グラムの脳を持つ人間は、将来も不安も生きる意味も考える。無視できない。そして、それらの多くは報われない。
こちらは脳みそが小さいといわれているダチョウですが、人間の役にはたっています。
人の寿命(ネタバレあり)
主人公の母親は重度Ⅲの熱中症で他界。93歳でした。
人は期限を知らないで生きてるからいいんだな…。新潟に行った時、母ちゃんの寿命はあと2週間だった。誰も知らないからあんなに楽しめた。
人生良かったかどうかは本人でないとわかりません。
人は必ず死にます。
けれど、それが今日や明日とは誰もあまり思っていません。
「いつか」なんです。
母親に背負われるのは、人生のほんの一瞬だ、そのあったかくて柔らかくて動く寝床で、口を開けて眠っていた子は、すぐに自分の足で歩きだす。
母親にとっても、セガ温かくて重いのは、ほんの一瞬なのだ。
そんなの当たり前と思うかもしれませんが、本当に一瞬なのです。
子育てをしていた頃を懐かしく思います。
母の背で守られていた時代があった。その幸せは、母を失うとわかる。
全ての人に当てはまるわけではありませんが、多くの方はそのありがたさを感じるのではないかと思いました。
70代は「老人のアマチュア」と書かれている作者ですが、何歳であろうが社会はそれを「高齢者」という文字でくくってしまいます。
若いと思ってるのは本人だけだって。ニュース見てみな。65以上に何かあると、当たり前に『高齢者』って言う
周りが終活をしだすと、終活をやらない主人公は自分が何か間違った場所に取り残されているかのように、焦ってしまいます。
反面、死ぬ準備なんてやってられるかという気持ちと入り混じったなんとも言えない気持ちになるのでした。
多くの人は終活だけじゃなく、自分だけが取り残されているという不安や恐怖のような感じは味わった事があるのではないでしょうか。
私はあります。
どんな写真より、棺の中の美しい母が好きだった。
あの顔ばかりを思い出す。
幸せな一生だったから、あんなにきれいだったのだと思う。心が休まる。
本人はともかく、子どもにそうやって思ってもらえるのは幸せな事なのだと思います。
人生は自分の思うようにはいかないけれど、最期は自分でも他人からみても、(あ~良い人生やった)と思うような人生にしたいものです。
みじめに思う事
歳取ったらね、葬式代以外のお金は必要。絶対必要。それがあれば、老人はうわべだけでも一人前に扱われる。
これは、小説の中でのセリフなのですが、周囲から同じ内容を何度も聞いています。
人はね、若者でも老人でも、みじめにされるのが一番こたえる
家族であったり、職場であったり様々ですが現実味があって自分の将来を考えると怖くなりました。
読んでいてフィクションなのかノンフィクションなのか分からなくなっていました。
終活とは
物語のテーマは「終活」ですが、「終活」とは誰の為にするのか?
誰もが主人公の自分の人生。
日本人は、死ぬ時に一番お金を持っているんだそうです。
子どもに残すのか?
やり残したことをやるのか?自分のためにだけ生きるにはどうすればいいのか?
「終活」について自分軸で考えているのか?他人軸で考えるのか?
こちらも正解はないと思います。
本当の終活について、自分がどうしたいのか考えさせられるお話でした。
jibunnnoikikata.hatenablog.com
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